「ASH LIVE 1月17日 渋谷AX」

Meltdown (Bonus CD)

Meltdown (Bonus CD)

ついに、というか、やっと、ASHのライブに行って来たよ。もう、むちゃくちゃ楽しみにしていたよ。本当に、すでに、2005年のピークだ、とすら思っていたし、実際に、見終わった後でも、今年最高の思い出になりそう、と思っている。それくらい、楽しかった。むちゃくちゃ感動した。

僕は音楽については専門的なことはまるで詳しくないから、ライブの音が良かった、とか演奏がどうとか、そういうのはよく分からないし、そういうところで何も言えないけれど(ものすごい下手だったり、音がすかすかだったりしたら、さすがに、ひどいなあ、とは思うけど)、それでも、良いライブだなあ、なんて思ったりする。全然、良くなかった、と思うことだってあったりする。だけど、それって、結局、自分次第ではあると思う。専門家じゃないんだから、その時の感情に左右されたり、モチベーションで、全然、印象が変わったりする。だからこそ、本当に好きなアーティストのライブに行きたいし、自分が好きな曲を生で聴きたい、と思う。それがベストな状態だったら、言うことはないけれど、やはり、どこまで行っても、どう楽しむのか、というところで、ライブ全体の印象は違ってくるはずだ。だから、本当に好きなアーティストのライブに行きたい、と思う。
もちろん、新たな発見、新しいお気に入りが出来る、という楽しみもあるだろうけれど、それはまた僕にとって、違うライブの楽しみ方なのだ。

そして、僕にとって、ASHのライブはまさに、どうやっても自分が楽しみたい、どうであれ、とにかく、好きな曲を聴きたい、というライブだった。本当にずっとずっと願っていたライブだったのだ。
自分にとって1番好きな曲が、ASHの「A LIFELESS ORDINARY」だ。もう何回聴いたか分からない。何度聴いても、胸がキュンとなる。切なくなる。大好きだ。ここでも何回か書いたかもしれないけれど、本当に好きな曲だ。恥ずかしいことを結構真顔で言うと、世界で1番好きな曲だ。好きな曲って、ある時期ある時期で、まとめてリピートしまくって聴いたりして、また聴かない期間とかあったりするのだけれど、この曲だけは、もうずっとずっと聴いている。常に、リピート状態だ。それでも全く飽きない。いつも胸がきゅんとなるし、すごく好きだなあ、と実感する。
そして、そんな曲をライブで聴くことが出来たら、どんな気持ちになるんだろう、ほんと、もう頭おかしくなるんじゃないだろうか、ってくらいに聴きたくて仕方がなかった。

何度もDVDで観て、ライブアルバムも聴いて、前日から、わくわくしていた。ていうか、夢に見たから。当日。なんか、ASHのライブ始まるよー、って全然知らない赤の他人の家にいた。それで、わーわー、もうすぐ始まるよ、もうすぐASH出てくるよ、とかそこで言ってた。意味わかんない。どこから出てくるんだ。リビングかどこかか。でもそれくらい待ちわびていたのだ。
ライブまでの道のりもそわそわしていて、落ちつかなかった。緊張もしていた。なんだろう、あの感じ。今までのどのライブとも違う。何が違うのかは分からないけれど、やはり、日本のアーティストのライブと違うから、ほんと、次にいつ来るか分からない。ASHの日本でのライブは、昨年のフジを除けば、2年以上ぶりなのだ。
だから、多分、好きだからこそ、本当に緊張するのだ。本当にふわふわした、よくわからない状態で、ライブハウスに着いて、始まるのを待っていた。
なんだか、客入れのSEも全然身に入らないというか、頭に入って来ない。ビールもおいしいのか、よくわからない。もういやーん、って感じ。でも、この感じも本当は悪くない。胃が浮きそうになるけれど、わくわくもある。もう、あと少しで、待ちに待ったASHのライブが始まる。というこの感じ。

ライブが始まってしまえば、もう、何が何だかわけがわからなくなった。うん。すげー楽しかった。本当に楽しかった。まじで夢のようなライブだった。むちゃくちゃ盛りあがってたし、すごい嬉しかった。いちいち嬉しかった。ティムのなんか、ぼっちゃんくさい顔やフライングギターや、大ぶりな動作や、もういちいち感動した。うわー、シャーロットだ、やっぱ、すげーかわいい、というか、裸足じゃん、とか思って、すげーわくわくした。ほんとに。リックの髪型は変わり、そしてマークは……なんだ。
でも、すごい。ASHだ、と思って。
GIRL FROM MARSが流れて、泣きそうになる。うわー、やはりやるよなあ、と思いながらも、すごい嬉しい。テンションが上がる。

基本的に、ライブはメルトダウンの曲を中心に、人気のある曲をやる、って感じ。メルトダウンの曲は、ライブで聴くと、良かった。好きな曲が多いアルバムだけど、これはすごい好きだ、という決め手がないのも確かだ。だけど、ちょっとごりごりして重くなった、って曲が多いだけに、ライブだとそれはそれで盛り上がった。そして間に挟む、名曲たち。カンフーは本当に楽しくて、チェリーボムも嬉しかった。シャイニングライトも感動する。ほんと、好きな曲ばかりだ。ティムがいちいち、カタコトの日本語を喋って、お辞儀するのがかわいらしいし、なんか、嬉しい。そして、やたらとギターを変えて、曲の終わりに、ステージの端にギターを受け取りに駆け足で行く姿がなんか微笑ましい。すっげー嬉しい。なんていうか、ほんと、幸せな瞬間だ。
だけど、だけど、「A LIFELESS ORDINARY」をやってくれるのかどうかが、すごく気になる。多分やる、多分やるはず、と分かっていても、これでやらなかったら、と考えると、どきどきする。それぞれの曲で盛り上がり、わくわくしているけれど、ああ、このまま終わったらどうしようどうしよう、と気が気じゃなくなっている。

ヴァンパイアラブが終わって、ギターを変えるティム。そして、コードを確認するかのように、鳴らした音。その音で、分かった。あの曲の前に、イントロの出だしを確かめるように、弾くのだ。だから、その音がした瞬間、どき、っとした。胸が凍りそうになる。そしてすぐ、激しくなる。
そして、ティムは、曲名を言った。
「A LIFELESS ORDINARY」
イントロが流れて、頭がとろけてしまいそうになる。そして、同時に、頭がぼんやりとしてくる。本当に、何度も何度も聴いたイントロ。いつも、イントロだけで胸が切なくなっていた。いつも導かれるように、イントロで、やられてしまっていた。そして、生で聴いたその曲は、頭がおかしくなりそうだった。最高に幸せで、切なくて、苦しくて、とても嬉しかった。よくわからない気持ちが混ざり合っていた。感動して、涙がこぼれていた。世界で1番好きな曲が、僕を包んでいた。本当に、もう、あれだ。まじで、いい歳して、泣くなよ。って感じだけども、まじでダメだった。すっごい感じ。すごすぎる瞬間。なんで、音楽って、こんな気持ちにさせるんだろう。
会場もすごい盛り上がっていた。もう、このためだけにライブに来た、と言い切れるほどに、満足だった。僕は一生、この瞬間のことを忘れることはないだろう、と思った。すごい強く、しっかりとした実感だ。

その後の流れもすごかった。素晴らしかった。これもまた定番のWALKING BAREFOOTだけれども、A LIFELESS ORDINARYと続けて聴くと、更にぐっとくる。
そして、メルトダウンの「ORPHEUS」で本編ラストとなるわけだけど、これがまたむちゃくちゃ盛りあがって、すごい楽しかった。もうなんか、泣いてる場合とかじゃなくて(もともと泣いてる場合でもなんでもないんだけどさ)、楽しかった。ライブばえがする曲だ。すっごいテンションが上がった。そして終わり。

アンコールも良かった。ワイルドサーフも聴けて嬉しかったし。そして、最後、お決まりの、BURN BABY BURN。もうお決まりだろうが何だろうが、すっごい楽しい。むちゃくちゃ盛り上がる。やっぱ、これで終わりたい、と思っていたので、すごいすっきりとした。なんだか、最後もティムが前に出て、お辞儀をしたのが、印象的だった。

気がつけば、あっという間のライブだった。90分もなかった。だけど、聴きたい曲はほとんど聴けたし、満足だった。はっきり言って、「A LIFELESS ORDINARY」が聴けただけで、これはもう相当に嬉しいのだけれど、本当に満足だった。
素晴らしいライブだった。僕個人としては、すごい良いライブだった。だけど、個人としての感想以外に、誰がライブの良し悪しなんかを判断出来るというのだろう。
僕は、ますます、ASHが好きになって、ますます彼等の曲が愛しくなった。それだけのことだ。だけど、あまりに、きらきらしすぎる、それだけのこと、なのだ。永遠に、このきらきらが胸に残っていくんだろうな。そんな予感さえ、また僕をどきどきとさせて、今も、これを書きながら、ASHを、大好きな「A LIFELESS ORDINARY」を聴いている。