「フルーツバスケット 16巻」高屋奈月

フルーツバスケット (16) (花とゆめCOMICS)

フルーツバスケット (16) (花とゆめCOMICS)

もう、自分の中で、「出たー! 花とゆめコミックスー!!」と書くことすら、なんていうか、欺瞞に近い、素の状態で、平気で買って読む、そんなフルーツバスケット。16巻。
続いてるよなー。うんうん。しかも、1巻ほとんど、回想シーンだったし。本田さんの父と母の話ね。話全体としては、大事なエピソードだと思うし、知りたいところだったから、どんなのかなあ、って思ったけれど、まあ、なんていうか、すごいもったいないなあ、って印象があった。もったいない、って、なんか、すごいその設定が、安直というか、浅いというか、うーん、すごいもったいないなあ、って。お母さんがグレて、それで父と出会って更正して、っていう、字面にしたところで、面白くもなんともない、感じ。もちろん、設定が安直なら安直でありきたりで全然いいんだけど、そういうのって、エピソードのディテールをどれだけ増やせるか、そこでのリアリティを持たせられるか、だと思う。だから、それが、ちょっとあっさりしすぎてて、残念だった。父も母もいいキャラをしているし、読んでいて全然嫌いじゃないから、それを転がせればおもしろいんだろうけどなあ、と思った。だけど、早く話を進めなきゃ、回想で、これ以上は割けない、って感じなのかなあ、とも思った。
それはそれですごく残念だー。

設定が、ありきたりでどこかで見たことがある流れだとしても、その時の細かいエピソードや、気持ちの動きがすごくリアルだったりしたら、それは納得いくし、おもしろい話になったりするんだろうなあ、と、この漫画じゃなくても、思ったりするので、ほんと、気持ちの動きのリアルさ、説得力を持たせるのって、ステレオタイプな感じで描いたら途端にさめちゃうんだなあ、と感じた。

だけど、回想シーンも終わり、いろいろと気になる話が進み始めているので、すごい楽しみだ。由希がいいぜー。
由希がいいぜー、とか書いてて恥ずかしいぜー。あらゆる意味で恥ずかしいぜー、僕。
そして、次巻の予告の画を見て、ああ、噂では聞いていたが、やっぱり、やっぱり、あれはあれなんだ、そうなんだ、ってのを確信したぜー。あれがあれ、ってなんやねん、って感じだけど。本誌を読んでないから、ほんとまだどうなるのか分からないんだけど、また次巻が楽しみだー。