「サスペクト・ゼロ」

とりあえず、ネタバレする可能性があるかもしれないので、興味ある人は、注意してね。と言っても、まだ公開してるところあるのかな。先週僕が見たところは、もうぎりぎりで、今週はもうやっていなかったし。やっぱりそんなにヒットした、という感じはないよなー。

宣伝とかで見る限りでは、すごい面白いかも! という勝手な期待をしていたんだけれど、予想していた内容と違っていた。なんか、超能力というか、人間場慣れした透視能力が出てきた時点で、あ、これは全然違う、と思った。その透視能力の人が犯人だろうとなかろうと、殺人に関わっていようといまいと、もっとなんか、謎を解く、というか、どういう展開をしようとも、1個、人間離れしたところがあれば、その設定では、何でもあるし、先々、どんな形で展開しても、びっくりしない、というか、まあ、あるだろうな、って思ってしまうので、頭を使って謎を解く、あくまで人間の純粋な能力で、解決する、みたいな話だと思っていたから、それとは全然違うのだなあ、というところで、本当にがっかりした。それは勝手に期待していた自分のせいなんだけれど。
それで、その、超能力的な、いかにも、Xファイル的なものとしておもしろいのかというと、僕は元々そういうのが好きでもないというせいもあるんだろうけれど、あんまりだった。
なんか、勝手にわー、となって、ぐわー、っとなって、解決したな。という、印象で終わってしまった。わー、とか、ぐわー、とかなんだ、って感じだけど、登場人物とかが、もがいたり、苦しんだりして、なんか、透視脳力者の苦しみ、というのを終わらせよう、と動く様とかが、全然、しっくりこないというか、おいてけぼりだった。すごい存在感のある演技をしているなあ、って感じるのに、それでも、何だか、ひきつけられなかった。
サスペクト・ゼロ、という形が見えない敵というか犯人に挑むはずが、それがすごいしょぼくて、何の描写も背景もなくて、ただ、普通に捕まった、殺された、みたいなところも、あっさりしていて、そりゃ、透視能力使えば、犯人だれか分かるしあと捕まえるだけ、みたいなところだけど、今まで、何の跡も残さずに殺人を繰り返して来た、というある意味で、普通の人間としての能力を
使って(というか、スーパーな能力を持たない人間なのに)、想像も出来ないことをやってのける、というところが全く重きをおいてなくて、僕としては、そっちのほうがすごい興味あったし、あまりにあっけなくて、泣けた。そのただの人間が異常なことをやってのける、というところが強くないと、ほんと、ただ、超能力を持つものの苦しみを救うための手段、としての、サスペクト・ゼロ、という構図にしかならないなあ、と思ったのが、すごくもったいないなあ、と思った。

でも、そういう根本的なストーリーの好みはともかく、雰囲気はすごく良かったなー。フォローでもなんでもなくて、最初はぞくぞくとしたし、なんか、ぞくぞくするようなシーンというか、画も多かったから、ほんと、話の大筋が見えるまでは、まじでかなりおもしろいぞー、と思ったもん。

というわけで、映画を見る前に、自分で勝手に話の筋を決めちゃうな、というよくありがちな教訓を残したりしたりしたけれど、これって、誰もやめられないよなー、と思う。だからこそ、想像もしないような展開で、おもしろかったら、ほんと、嬉しくなるわけだし。