レジェンド・オブ・メキシコ

観てきたよ。まじで楽しみにしていたから。相当。前作の「デスペラード」のバカバカしすぎて、かっこいい。そんなロドリゲスらしい雰囲気を期待して観た。
前作は、ギターが銃、という、その発想。まじでかっけー。ロドリゲスかっこいい。と思って観たけど、全体の感想としては、バカバカしさと、ストーリーを進めなくてはいけないという正気のバランスがもったいないなあ、という感じだった。バカバカしさが中途半端というか。バンデラスが普通に見えてしまった。かっこいいけど。極めてシンプルに復讐をしたよ。って感じ。
でもね、なんと言っても、ジョニー・デップが好きだ。映画の最初の辺りでは、なんでかしらないけど彼が気持ち悪く見えて、やばいんじゃねえのか、これ、って思ったんだけど、とても良かった。詳しくは書かないけど、なんだ、このバカバカしいのにかっこいいのは。って思った。あり得ない。あり得ない状態。パンダみたいなジョニー・デップ。かっこいい。冷静に考えても、考えなくても、頭が悪いんじゃないだろうか、と思う。素晴らしい。

ウィレム・デフォーも好きなんだけど、なんか、観てるだけで、緊張感がぴりぴりしてた。特有の存在感がぴりぷりぷりと。ぷりと。でも、正直、あっけなかった。物足りなかった。

そう思えるのは、ストーリーにいろんな軸があって、それを映画全体に詰めこみすぎてしまっていたからなんじゃないかな、って思う。そのいろんなストーリーの軸をそれぞれ落とし前をつける、っていうのが、話の流れとか関係なく、ただの作業になってしまっていた。それをバカバカしさで乗り切れるならば、問題はなかったんだろうけど、そこまでのバカバカしさを前面に出すにはストーリーが絡み合いすぎて、っていう、矛盾というか悪循環に陥ってる感じがした。それなら、フロムダスクみたいに、全てぶちこわせばいいじゃん、って思うんだけど。ところどころに、ロドリゲスばかだなあ、っていうポイントが散りばめられていただけに、きっちり話を終えた、終えようとした、ってところが見えてしまったのが、なんだか複雑な気持ちだった。

なんて思いながらも、すごいおもしろかった。なんか、思いついたことを自由に勝手に盛りこんでしまうフットワークの軽さはすごいと思う。スパイキッズだって好きって言えるくらい、ロドリゲスが好きだ。

あと、笑ったのは、スタッフロールで、ロドリゲスの名前が出てくること出てくること。どんだけ自分でやってんねん、って思った。すごい。そうでなくちゃ、あんなの出来ないんだろう。と思う。

まだまだ言いたいことはあるけれど、まともに観ようと思って観に行くと、がっかりするかもしれない。くそつまんない、って思う気持ちはすごい分かるけど、その意見と理由はきっと正しいのかもしれないけど、この映画をおもしろい、と思える人は、僕は好きです。