ディボース・ショウ

観たよ。近くのシネコンに行ったんだけど、平日の夜ってこともあってか、6人くらいしかいなかった。人いないねー。まるでいないよ。
いや、6人いる、って言ったじゃないか、お前。とか言われたら、そうだ。その通りだ。ひれ伏すよ。ひれ伏すから。

というわけで、コーエン兄弟のは、かなり好きなので楽しみにしてたんだけど、極力、話の筋も知らないようにして行った。なんとなく、一筋縄では行かないんじゃないかなあ、いろんな良かった探しがあるんじゃないかな、などと考えていたから。それはポリアンナ物語だけども。だけーれども。あ、今、流行るんじゃないかな、だけーれども、という物言い、などと興奮に胸躍らせちゃった。てへへ。
今のは、ひどく乾いたてへへだよ。

まあ、そんな戯言はどうでもいいんだけど、中身は、まあまあおもしろかった。多分、期待しすぎたのがいけないんだろうけれど、まあまあおもしろかった、という感想どまりになってしまう。もちろん、楽しんで観たけれど。相変わらず、良かった探しについて思いを馳せていたけれども。ハウス名作劇場の如きだけど。

とりあえず、途中で1度、ダレるのがしんどかった。こんなベタベタな感じで終わるのかなあ、って思って、そこの部分が本当にチープで、本当に陳腐で、本当にピープで、(お得意のライムが出たよ! リリックだよ! ピープって意味がまるで分からないよ!)、だるいなあ、って思って、このまま終わったらつらいなあ、って思ってたんだけど、それで終わらなかったから、まあ、良かったけれど、その終わったらやだなあ、の部分があまりにいやでいやで、辛かった。いかにも、「愛こそすべて」的な感じなので、それが本当に、わざとらしくて、コーエン兄弟のが、こんなので終わるはずがない、と分かってても、それでも辛かった。
だから、案の定、終わらずに話が進むと、良かった、と思いつつも、結構お腹いっぱいというか、うんざりした感じもする。みんなそんなんで終わるわけがない、って思わせすぎるほどの陳腐な展開にして、ひっくり返す、ってのは、だるい感じ。それならもうちょっとあっさりでいいじゃないか、って思う。
しかも、その「愛こそすべて」という状態にジョージ・クルーニーが陥る過程が安易というか、あっさりで、説得力がないので、余計にだるいんだよなー。
そこだけが本当に心残りだった。
でも、そのポイントが結構この映画の肝だと思うので、もっと丁寧に作って欲しかった。丁寧に話を考えて、場面の長さ的にはシンプルに、見せて欲しかったな。

とりあえず、コーエン兄弟らしいばかばかしさはおもしろかった。ビリー・ボブ・ソーントンは良かったなあ。すごい印象的だった。ジェフリー・ラッシュも。
あとは、やはり、ゼタ=ジョーンズがなんていうか。まあ、見事なまでにゼタ=ジョーンズ、って感じで。出ました! って感じで。とても良かったと思う。はまり役だったな。
ジョージ・クルーニーはそれに比べると、なんかいまいちだった。僕の印象としては。
オー・ブラザーがすごい好きで、あのジョージ・クルーニはとても好きなので、なんか残念だ。あんまり魅力が無いし、前半と後半では、キャラが全然違って見えた。それくらい薄っぺらい感じがした。
まあ、薄っぺらくない登場人物が他にいるのか、といわれれば、それはいないんだけども。

って感じで、おもしろかったのに、かなりおもしろかったはずなのに、1個納得がいかなかったおかげで、なんか、すごい印象としては残念、っていう気持ちが強かったなあ。また観るけどさ。

あ、あと、やはり音楽はすごい好きだな。