「ナンバー吾」6巻  松本大洋

うーむ。おもしろいなあ。おもしろいとか言っちゃっていいのかな。言っちゃお。おもしろいなあ、これは。大好きだ。むちゃくちゃ無駄が無駄じゃないのがいいよな。言ってる意味が分からないけれど、いいよなー。
痺れるよ。

連載の最初の頃は、全然、意味わかんねー、とか思って、その意味のわかんなさがいいよ、すごく素敵だよ、とか思ったけど、どんどん話が進んでいって、なんとなく見えてきたところとか、それでもわかんねー、というところとかあるけど、すごいそういうのが心地良いの。良いの、なんて言っちゃう語尾感。語尾感、とかもまたわからないけど。

でも、感覚的なところで何か惹かれる、って感じ、あるんだけど、この作品の場合、というか、松本大洋の作品の場合、そういう言い方もしたくないなあ、っていうのがあって、本当に何と言っていいか、わからなくなるなあ。ってのがあります。僕は好きだ、とかそういうことしか言えないよ、結局のところ。

なんだか、話は、というか、言ってることはすごくシンプルでそれこそピースフルな感じになってきているけれど、そのバックボーンに(今まで描いてきたところも含めて)あるものが、松本大洋なりにあるのだろうから、全然、薄っぺらくない。薄っぺらくないよ、って印象です。
早く続きが読みたいけれど、読みたくない、そんな気持ちになります。結論が見たいんだけど、見たくないんだよーだ。