「体の贈り物」 レベッカ・ブラウン

体の贈り物 (新潮文庫)
最近、文庫が出たにも関わらず、何ヶ月か前に、単行本で買って積読そのままになっていたよ。だから、文庫が出た機会に、単行本を読んでみたよ。言ってる意味はまるでわからんけど、読んでみたよ。

読んでみて、いちいちすごくリアルというか、ぞくぞくとしたよ。胸にぐっとくる話だったよ。簡単に言うと、エイズ患者をケアする女性が主人公の短編集、っていう、お涙ちょうだいだよ、といわんばかりの設定なんだけど、そんな甘っちょろいもんじゃなくて、すごいね。感情の記述がすごくリアルだし、書きすぎてなくて、ディテールが一々しっかりしていて、いろんな状況が色づかんばかりに描かれていて、おもしろかったし、感動した。切なくなったり、嬉しくなったり、いろんな気持ちになった。すごい丁寧に書かれているなあ。おもしろいです。すごく。
決して、ポジティブな話ではないけれども、読み終わって最後にとても心がぽっと温まる、素晴らしい小説です。さすがだなー。柴田さんが訳す小説はどれもおもしろいなー。