「シガテラ 4巻」古谷 実

シガテラ(4) (ヤンマガKCスペシャル)

シガテラ(4) (ヤンマガKCスペシャル)

うおー、出たー! おもしろ漫画ー! おもしろ漫画ー!
おもしろい方の漫画ー! 
というわけで、すごい楽しみにしていた、シガテラの最新刊。ヤンマガ読んでても、これだけは読まないようにしている、という、それくらいの好きっぷり。待ちに待ちっぷり。ってことで、読んだでー。
谷脇がいなくなり、どうなるんだろう、と思っていた中での、ハッピーライフ(書いてて恥ずかしい、ハッピーライフ、という言葉の響き、みんなも言ってごらんよ。ごらんよ)がどうなるんだろう、と思いきや、相変わらずのハッピーライフ、と思いきや、数々の事件、事件というか。なんていうか。
あまりにヘビーすぎる内容なのに、いちいち、すげー中身なのに、あり得ないような話なのに、それでも、ありそう、と思ってしまうリアルさ。すごいよ。ひとつひとつの会話(受け答えのリアルさ、もそうだし、齟齬でさえ、リアル)、セリフのないコマの表情だけでもリアルだし、全然ひっかかることなく、のみこまれていくよ。だって、荻野くんと南雲さんの二人自体は、すごい
普通なんだよ、すごい当たり前の高校生らしい感情や行動をしていて、すごいありきたりな二人なのに、周りというか、出来事があまりに異常で、それでいてリアルなんだなあ、それがすごいよー。ほんとにすごい。どんだけおもしろいんだ、古谷実は。
その普通の二人に加えて、今回は、斎藤くんもまた普通の男の子で、本当に彼の気持ちが痛いほどにリアルで生々しかった。南雲さんの画像を見て、どうにもならなくなったり、そのことで自己嫌悪に陥ったり、あの二人セックスしてるんだー、っていう目でしか見れなくなったり、ほんと、男子には覚えがある感情じゃないかなあ。僕、今でも、思うもん。「あ、この人達、セックスしてるんだ」とかばっかりしか思ってないから、ある意味。
そんな斎藤くんが引っ越すところとかは、さすがに展開早いわー、と思うけれども、それでも、おもしろいなー。

弁当屋のエピソードも、すげー設定(新林が孤児みたいな)だなあ、そんな安っぽい設定でいいのか、とか思いながらも、どんどん、南雲さんに心を開いていく過程とかがすごいスムーズで、ほんと、説得力あるなあ、と思っていたところで、ひっくり返された、あの感じ。なんだかなあ、と思いながらも、うわうわー、どうなるんだー、という感じ。おもしろかった。

ある意味、3巻がピーク、と思っていたところなので、こういう感じでシフトしながらも、持続できるのがすごいなあ。稲中以降、物語というか、展開する話を書いていた古谷実は、長くて4巻までで終わっていたところが、まだまだ続く、というのは、これもまた成長というか、パワーアップしてるんじゃないかなあ、と思う(長いのがいい、というわけでなくて、展開させていく作業や能力といい、人気といい、そういう意味で)。
ますますもって、次巻が楽しみであります。連載読むの我慢するぞー。うー。苦痛。