「グランドフィナーレ」阿部和重
- 作者: 阿部和重
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 単行本
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なんか、いろんな要素を混ぜているなあ、って思うんだけれど、それがどれもさらっとしている印象を受けた。基本的な話の中心となっている、少女への思い、ポルノ、そんな辺りですら、さらっとさらっとしていて、終わり辺り(劇の練習のくだり)とかもなんだか、いろいろと絡んでいて、おもしろいんだけれど、それでもさらっとしているというか、うーん、なんだろうな、この人の小説全般にいえるのかもしれないけれど、うわすべりしている感じがするんだよなあ、なんか、さらっとしすぎ、というか。うまく言えないけども。
それでも、この人の作品は、「インディヴィジュアル・プロジェクション」は好きだし、「ニッポニアニッポン」も好きなんだけどね。そして、この作品は、なんだろうなあ、さらー、っと終わりながらも、余韻はあったな。さらっとしてる、とは言ったけれど、過剰じゃないところは、逆に言えば良いとも思うし、そういう中で、なんとなく、結構すごいことが展開している、って感じもまた、後になってみれば、残る、作品なんだろうなあ、と思った。
他の収録された作品は、まあ、そんなに好きじゃないです。