「溺れるナイフ」1巻 ジョージ朝倉

溺れるナイフ(1) (講談社コミックス別冊フレンド)

溺れるナイフ(1) (講談社コミックス別冊フレンド)

なんだか、ジョージ朝倉のことばかり書いている気もするけれど、新しいのが出たので、それを。ほんとは、ピースオブケークについて書きたいんだけど。ピースオブケーク好きだ。

溺れるナイフは、別フレのコミックなので、ほんと、ジョージ朝倉の少女漫画雑誌向けの連載は、あんまり期待しすぎるとつまんなく感じちゃうかもなあ、という気持ちがあって、全然期待していなかったのだけれど、これは思ったよりも、おもしろかった。
小学生が主人公っていうのが、さすがに今更どうでもいいというか、そんなに興味ないよなあ、ってところなんだけど、田舎が舞台、ってのと、男の子が意地悪そうで、だけど素直で、だけど神々しい感じがして、すごくいいなあ、と思った。神々しいって書いてて恥ずかしいんだけど、ちょっと、なんか、好きだなあ。まあ、そこらへんが、この漫画の僕にとっての魅力なんだけど、その魅力だけで持っている、っていう印象がある。その魅力だけで、っていうと、言い過ぎかもしれないけれど、あくまで僕の感じたことなので。

それでも、コウちゃん(男の子)の魅力は、理不尽なくらいに強烈なので(理不尽だからこそ、強烈なのかな)、今後、楽しみだ。いかにも、って感じだし、ジョージ朝倉っぽすぎるといえば、まさにその通りなんだけど、それでも、セリフの少ないシーンところとかは、やっぱり、ぐっとくるというか、印象に残るなあ。自己模倣にしても、またもや、という感じがするにしても、それはそれで、美しかったり切なかったり、胸を震わせたりするのだ。するものはしょうがないじゃないか、と開き直った気持ちになる。

この主人公の二人は多分成長していくんだろうけれど、すでになんだか、子供離れしている感性(というか、感情の揺れ、というものを説明するボキャブラリーというか、まあ、セリフみたいなのとか、やっぱり、小学生だとどうしても無理があるわけだ)、それが、どう変わっていくんだろう、なんだか、そのままのレベルというか、同じような立ち位置だったら、さめるよなあ、と思う。まあ、それも含めてどうなるのか、気になるところです。