「SAW」

SAW ソウ DTSエディション [DVD]

SAW ソウ DTSエディション [DVD]

とにかく、この映画を見てない人は、完全に完璧にネタバレになるので、読まない方がいいと思います。危険危険! ほんと、注意してください。まじで、少しでも興味ある人は、ここに書いてることをちょっと読んだだけでも、取り返しがつかなくなるかもしれないので。えーと、興味ある人がいたら、まあ、1度、見てみてね、ということだけは、お伝えしたいです。とにかく、見た人が、どんな感想を持つか、というところが、興味あるので。もし、見た人いたら、是非、感想が知りたいです。おもしろいよ! だからおすすめだよ! っていう意味での見てみてね、という感じじゃなくて、見た人がどんな感想を持つのかな、という意味で、見てね、っていう思いなのです。

DVDが発売、ってことで、HMVの売り場でモニターやらポップやらが設置されていて、そこで、似たような作品、みたいな感じで、CUBEも置いてあった。で、CUBEがすごい好きなので、これは、ひょっとして、おもしろいんじゃないだろうか、と、ポップに書かれていたこの作品の説明を読んだら、すごい興味が出て、すっごいおもろいはず! と思って、見てみることにした。

というわけで、ここから、中身について書くよ。ほんとに読んだらネタバレになるよ! 危険危険!

ほんと、いろいろと言いたいことはあるのだけれど、まずは、最大の問題であるラストの話、ほんとは犯人はこいつだった! という話から。
というか、この映画で言うべきことは、最後の部分、に尽きるわけなんだけど、なにはなくても、僕自身はどうだったか、と言えば、ほんと、びっくりした。最後のところで、相当驚いた。実際、うわ、うわわ、って声が出た。出たと同時に、うそーん、という思いもすごいあった。なんていうか、結構久しぶりの感触だった、終わりの衝撃度で言えば。だけども、そこまでの話の流れとか、伏線とかを振り返って照らし合わせてみると、なるほどなあ、というよりも、それを言っちゃおしまいだよなー、的な気持ちもなくもなかった。
なんていうか、まあ、大オチから逆算して作るのは当然にしても、いろんな伏線が、一応、こういうことがあるから、これが犯人なんですよ、そういう風に作ってますよ、説明してますよ、という、言い訳のように、ある種、伏線という名のアリバイのように、点で置いてある、っていう印象が強かった。もちろん、伏線とかない方が問題だけども、やっとけばいい、ってもんじゃない。ただの点でしかないから、感情の動きとかが生きていないように思えた。伏線だけの問題じゃなくて、それは見ている途中から感じていたところで、「ここでこういう風にパニックになる」というト書きの設定を、点で、ワンポイント入れただけ、という気すらして、そこの厚みの無さは、見ている中でも、なんだかもったいない、というか、わざと描いてないのか、描けないのか、それとも、必要ないと考えているのか、といった、どんな理由にしても、なんだかしっくりこない気持ちだった。
そして、これは僕自身のせいなんだろうけれど、そもそも、最初は、もっと心理戦になるのか、と思っていたから、気持ちの動きとか、なんだかちっともリアルじゃないから、すごいつまんない映画なんじゃないか、と、不安だったし、途中までは、ほんとだめだなあ、つまんねえなあ、ぺらぺらで、安易な描写だなあ、と思っていたんだけど、そこで、最後のところで驚いたから、そうじゃなくて良かった、という気持ちが強く残った。だから、途中で期待値がぐんとさがったから、尚更最後の衝撃はものすごく強くて、ほんと、最後の展開は、すごい圧倒的で、テンポも良いし、見ている側に与える、どうしようもない放り投げられた感、というのが強烈で、どきどきして、かっこいいし、うおー、となったのは確かにそうなのだ。それはもう、紛れなく。
だけど、その前までが、本当にびっくりするくらいに、気持ちの面での描写がぺらぺらな感じがいやだなあ、と思う。感情の動きがリアルじゃないからこそ、布石そのものがぺらぺらでも、とりあえず、置いておくだけで、成り立つ、というような状態になっていると思う。それはすごく逆説的に思える。
ほんと、後から考えて、確かに、こうなることは説明しているんだけど、なんだかしっくりこない感、というのは、そういう理由によるんじゃないかなあ、と思う。

で、だから、なに? って言われちゃうと、いや、おもしろかったよ、最後まで見たら、と言うしかないし、もちろん、それ以外の気持ちはないんだけれど、なんだろう、このしっくりこない気持ちは、という感情が残る。すごく残る。だからと言って、この作りのままで、もっときっちりと気持ちの動きやらを描いていったら、それはそれでテンポが悪くて、ぐったりしちゃうんだろうなあ。難しいなあ。ほんとに。
まあ、ほんと、驚いたし、うおー、ってなったから、良しとしよう。そうしよう。心にそう言い聞かせないと、なんか、納得がいかない、そんな気持ち。

次にこの人達が作る作品は是非とも見てみたい、と思う。ほんとに。

全然違うんだけど、なんか、初めてパラサイトイブを読んだ時と感じが似てるんだよな、納得のいかなさ、というか、それをやっちゃ、おしまいよ、というか。うまく言えないけれど。つくづく、僕は頭堅いのだなあ。なんか。

ってことは、ユージュアルサスペクツ見た時も思ったな。
「回想シーンが、全部、嘘だった、って、そんなんなら、何でもありじゃん、映像と見ている方は、それが全てじゃん!」みたいな。これもまた、うまく言えないもやもやなんだけど。

というわけで、SAWを見た人の感想を知りたいです。