「NANA」11巻 矢沢あい

NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)

NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)

いえー。なんだかんだと、クッキーの連載は読んでいたりもするのだけれど、それにしても最新刊。そう言えば映画化するんだよね、これって。すごいな。なんか、トリビュートアルバム、みたいなのも出てたし。ゲームも出てたし。すごいね。というか、ゲームがどんなのか、ちょっと興味あるわー。かなりあるわー。一回でいいから、どんなんか見てみたいわー。

いつからあまりに寓話みたいな、浮世離れしすぎたバンド漫画になったんだ、って結構前から思ってたんだけど、って別にバンド漫画じゃないんだろうけど、なんていうか、このすごい売れてるバンド感、っていうのがあんまりピンとこない、というか、抽象的すぎて、なんか、よくわかんない。パンクって言われてもなあ、なんかなあ、ピンとこないなあ、という気がするし。
最初の頃の、ある意味、等身大の恋愛(書いててすごい馬鹿みたいだけどもん)、みたいなのは、まだおもしろかった、というか、まあピンと来るところはあった、そういう実感があった、ような気がするんだけど、ほんと、なんか、今はよくわかんなないや。描かれてる世界があまりにぼんやりしすぎている、というか、書いてる本人だって、そこのところ、どうなのよ、明確に見えてるのかな、って感じがする。
じゃあ、読まなきゃいい、って話なんだけどさ。ほんとに、そうなんだけどさ。
まじで、読むのをやめよう、っていうタイミングを逸してる、っていう感じがあったりする。でも、やっぱり、あの、いつものオープニングと終わりのモノローグがどういう意味があるのか、気になったりするし、続きが気になるから、読んでしまう。って、なんだかんだ言って好きなんじゃん! ってことになるわけなんだけど。

僕は、章司や幸子とかのキャラの方が好きなので、なんか、まあ、ほんと、今の、脇役にもほどがある、っていう状態でも、なんか、たまに出てくると嬉しかったりする。それで余計、今は、なんだかなあ、前はよかったなあ、感が強くなっている、っていうせいもあって、今の話がもういいかなあ、みたいになってるのかもしれない。

なんていうか、元々、矢沢あいの漫画って、どれも主人公が好きじゃなかったりする。でも、他の
脇役などに好きなのが多かったし、おもしろかったんだけど、NANAは、僕にとっては、好きなキャラクター、ってのがすごい少ないから、読んでいて、余計に、気になるところは多いんだろうなあ。立派なキャラクターがいる必要がないんだろうし、僕もそうは思うんだけど、なんていうか、全然ダメなキャラクターばっかりというか、ミュージシャンという設定だからなのかわかんないけど、まともな人間って、あんまりいなさすぎて、それが、すごくバランスが悪すぎて、ほんと、その、(今時リアルでない)バンドの物語、としても、ふわふわしすぎてて、ぐっとひきつけられるわけではないんだなあ。って感じがする。

ほんと、あまりにも僕にとってはこうだ、というような感想で、しかもいやなところばかり書いてしまったけれど、ほんと、矢沢あいの漫画は嫌いじゃないっていうか、嫌いじゃなかったし、すごい好きだったってのもあるので(パラダイスキスは大好きだ。これこそ、全然リアリティがない世界なのかもしれないけれど、それでも、登場人物が学生だったり、子供だったり、という余地があるせいか、すんなりとひきつけられたし、そもそも、ご近所物語がむっちゃ好きだった、という理由もあるかもしれない)、NANAは終わるまで多分ずっと読みつづけることになるんだろうし、やっぱり、気になってしまうのだ。ほんと、好きな部分とかもいっぱいあるんだけどな。やっぱり、ハチ公の方がメインになっている限り、ひきながら、読んでしまうけれど。それでも、今回の12巻での最初に描かれていた、7年後、というのがどういうものなのか、ほんと、気になる。気になりまする。ただ、なんか、ほんと、劇的な方向というか、あまりに極端な結末になりそうで、それはそれで、あまりに切ないというか、なんか、死んだとかで極端な方向に行くだけで、話を盛り上げる形はあんまり望みたくないなあ、という思いもありまする。それくらい、モノローグは、なんだか、怖い。なんだかかんだ、悪いことばかり書いた気もするけれど、そういう作り方というか、構成の仕方や見せ方はうまいのだなあ、と、思った。今、もう1度ここに書いたのを読み直して、そんなことを思った。

というようなことを至極真顔で書いたので、すごく照れた。2度照れた。