「バカ姉弟」4巻 安達哲

バカ姉弟 (4)     ヤンマガKCデラックス

バカ姉弟 (4) ヤンマガKCデラックス

わー。オールカラーでとにかくかわいい。
普段、ヤンマガはパラパラと立ち読みするか、人から見せてもらうかしているんだけど(全く読まない週もあるし、あと、関係ないけど、シガテラだけは絶対読まないようにしているんだけけども)、このバカ姉弟の連載がある週だと、すごい嬉しい。ほんとかわいいぜ。
って、3巻まで持ってないんだけど、おもしろいから、いきなり4巻買っちゃった。もう待てない、って感じで。というか、3巻までも欲しい。全部欲しい。

お姉ちゃんがすごいかわいい。

なんかね、基本的には、読んでいて和むんだけど、すごい切なくなったりもする。なんだろうなあ、この感じ。

安達哲といえば、「お天気お姉さん」が連載中は、ずっとヤンマガを読んでいた時期だったので、結構ちゃんと読んでいた。なんか、ちょっと生々しいなあ、きついなあ、と思いながら、当時の僕には、ある部分、エロの部分で、すごいひかれていたんだけど。なんか、何年も前、「さくらの唄」を電気の瀧がすごい誉めてたので、安達哲ってどういう人なんだろうなあ、と思っていたんだけど、さくらの唄、は当時の僕には、あまりにもきつそうで、なんか、結局、1度も手に取ることがなかった。お天気お姉さんも、コミックを買うこともなかった。
安っぽい言い方をすれば、安達哲は奇才(変態)、っていう印象があって、その奇の部分が、僕には合うようには思えなかったのだ、ずっと。
だけど、久しぶりにヤンマガを見たら、バカ姉弟が連載されていて、それが安達哲だったので、びっくりした。全然、そんな連載してるの知らなかった。でも、読んでみて、なんだこれは、と思った。初めて読んだ時は、ん? っていう感じだった。なんていうか、意味がわかんない、っていう感じじゃなくて、んー、なんだ、これ、なんだなんだこれは、っていう。懐かしい、というわけでもないんだけど、新鮮ってわけでもなくて、ん? ん? っていう感じ。全然伝える気ないな、この文章。この言い方。
でもまあ、なんていうか、最初読んで、すごい気になった。さっき、和む、って書いたけど、ぽわーん、っていう感じでもない。姉弟が純粋な存在として、描かれているんだけど、だからこそ、漫画全体に、毒がある、っていうか。そういう感じ。んーと、なんていうか、純なものって、自分が純だったら、純、ってわかんないし、描けないわけで、読む側だって、うわー、これってすごい純粋、って思うことは、何が純粋じゃないか、わかっている、ってことじゃん。だから、すごいその構造自体が(誰もが和む、癒される、バカ姉弟)、とても不思議な感じなのだ。うーん、うまく言えないけど、癒しキャラ、みたいなのがいるとして、それを描く時、って、その癒しキャラが出ている世界のなかで、癒しキャラに、わー、かわいい、癒されるー、って具合に癒される、という存在が、普通出てこない、と思うのだ。だからこそ、その世界内での、「原存在的で癒されている」存在、というのを描くと、どこか、不思議な感じがする。読んでいて、かわいい、と思いながらも、変な感じがする。なんだろ、自分も、バカ姉弟、に癒されながらも、漫画内で、癒されている人を見る、という同時性みたいなのが、ちょっとおもしろいなあ、と思う。その、ちょっとおもしろい、というのが、毒なのか(どういうところが毒だ、とは断言できないんだけど)、とも思うのだ。でも、それがおもしろい。そういう意味で、以前の作品の、きつい部分、絶対、純粋じゃないような、エグイような、生々しいような部分があってこそ、今、こういうものを書けるのかなあ、と思う。さっきも似たようなこと言ったけど、究極的なピュアネスを描くには、その分、究極的な卑猥さ、っていうのが、必要だと思うから。
あと、基本的に、漫画内での言葉も少なくて、変な感じ。そういうのが、時々、連載を読んでいくにつれて、なんだか、どんどんおもしろくなってきた。好きになってきた。ほんと、安達哲すげーなあ。って思う。
今なら、その、お天気お姉さんを含めて、そう思う。これから、さくらの唄とお天気お姉さんを集めよう、と思う。今なら、エローい、とかだけじゃなくて、ぐちゃぐちゃした、えぐいものもおもしろく、読めるんじゃないか、そんな気がする。それと並行して、バカ姉弟、むちゃくちゃ楽しみにしている。

あと、この、4巻、初回版には、シールが付いていて、それがすごいかわいくて、嬉しかった。こういうシールってもったいなくて貼りたくないけど、貼りたいくらい。それくらい、なんか、嬉しい。