「シガテラ」6巻 古谷実

シガテラ(6)<完> (ヤンマガKCスペシャル)

シガテラ(6)<完> (ヤンマガKCスペシャル)

最高で最低の終わり方だった。それが素晴らしい。古谷実はすごいなあ、と最初から最後まで思わされっぱなしだった。古谷実が次にどんな漫画を描くのか、本当に楽しみで仕方がないよ。

最初に、最高で最低の終わり方というのは、なんていうか、個人的な思い入れで言えば、主人公と南雲さんは別れて欲しくなかったなあ、という、そういう気持ちがあって、だけどそれは全然リアルじゃない、あり得ない馬鹿げたハッピーエンドなわけで、シガテラがおもしろかったのは、そういうリアリティというかストーリーの説得力、のようなものをずっと一貫して描いてきたからなわけで、それが最後の最後でひっくり返る(南雲さんと続いている)となると、シガテラシガテラじゃなくなるし、古谷実古谷実じゃなくなると思う。だからこそ、あの終わり方は、もしあのタイミングで終えるとしたら、シガテラとして、最高の終わり方なんだ、と思う。

シガテラには最後までどきどきしっぱなしだった。ダメさや真面目さや可愛らしさや馬鹿さがいちいちリアルでとてもうねりがあって、本当に気持ちが揺さぶられる漫画だったなあ。