柴田元幸と9人の作家たち

まあ、最初は、立ち読みだけしようと思ったんだけど。オースターと村上春樹のインタビューだけ読めたらいいかな、って思ったんだけど、リチャード・パワーズのも読みたいし、とか思って、さらには、いろんな作家が何を考えてるんか知りたいなあ、とか思ってたら、買ってた。分厚い。
というか、高い。

んで、CDが付いてて、実際に英語でのやりとりも入ってるんだけど、これがおもしろい。何がおもしろい、って、夜、聞いてると、寝るから。僕が、寝るから。
必死で、英語で聞き取ろう聞き取ろうとするほど、脳が重くなってくる。寝るんだぜ。

まあ、言ってる内容は、全部文字に起こされてるから、本で読めばいいんだけど。もちろん、日本語訳でも書いてあるから、読んでておもしろい。いろんな楽しみ方が出来る。
CDを聞いて、リチャード・パワーズって、もっと声が高いかと思ってた、とかそういう感じのこととか。まあ、英語のことは分からないんだけど、この作家さんはすごい分かりやすい英語を丁寧に喋るなあ、とか。そういうのと、インタビューの内容を照らし合わせて読んでみると結構いろいろと考えさせられる。

やはり、9人の作家のインタビューを読んで思うのは、作家、というか、現代の作家、というのは、基本的にめちゃめちゃ真面目だなあ、って感じ。今更だけど。
無頼派、とかそういう言葉って、もう死んでんだな、とか思うし、個人的にも好きじゃないから、結構なことだ。
なんか、すごい真剣だ。でなきゃ、すぐれた作品を作れないってのは当然のことで、本当に生活から何から規則正しかったりする。そういうのって、やはり、プロ意識というか、本当に専門職だなあ、と思った。
いわゆる、直感で書く作家さんにしても、直感、というものに関しての取り組みが真摯だと思うし、とても徹底している。手抜きをしている感じはすごくしなかった。
そして、誰もが誇りを持っていた。すごいことだなあ。
当たり前だけど、自分の文体、というものを持っているし、必死にもがきながら、それを手にいれ、保持し、修正し、また書いている。というそういう姿勢がとても心を打たれた、とかそういう印象を受けた。

読んだことのない作家もたくさんいたけれど、どのインタビューもおもしろかった。ただ残念なのが、春樹の肉声が聞きたかった。春樹だけCDに収録されてなかったから。
絶対、げらげら笑ってしまうと思う。聞きたかったぜ。